「OUT」


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時間潰しには適しているが、貴重な時間を潰すほどの価値はない。

事実は小説より恐なり。4人の女性による「元看護婦保険金殺人」というのが記憶に新しい。この事件の衝撃が、小説を完全に勝っているので「OUT」を読んでも、新鮮味も恐怖もあまり湧いてこなかった。

とにかくご都合主義がまかり通り過ぎていて、真実味がないのだ。4人の郊外で暮らす鬱屈した女性を主人公に据え、その感情描写などはなかなかだったので、もっとリアリティを追求して欲しかった。

良い話とは、細部をいかに見事に描けるか、で決まる。それがこの作品にはない。駄作とまでは言わないが、エドガー賞を取れるほど優れてはいないので、落選したのは当然の結果である。