M-1グランプリ


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ここ数年、M-1グランプリは低レベルとなり、もはやその役目を終えた感すら漂っていた。一昨年、昨年はチュートリアル、サンドウィッチマンという圧倒的な勝者が登場し、大会を盛り上げた。そういう反省点もふまえてのことなのか、予備審査員たちの意向によって世代交代が謀られた今年のグランプリだったが、顔ぶれから期待できるコンビがいない、というのが最初の印象であった。特にキングコング。なぜ彼らが決勝に進出できたのか不思議であり、キングコング枠、というのが明らかに存在していたように思った。また、笑い飯も同様である。

ダイアン:昨年同様ぱっとしなかった。何で決勝に残れたのか不明なほど。かわいそうなくらい観客をつかむことができなかったと思う。ダイアンは観客に認知されないまま、不完全燃焼、という他ない。

笑い飯:もういいよ。2002年、確かにWボケのスピード感は衝撃的だった。でも、あれからもう何年経ってると思ってるねん。笑い飯は決勝に残そう、という吉本のいやらしさしか感じない。

モンスターエンジン:普通でした。

ナイツ:ヤホーで、というつかみはもう飽きた。審査員が意外な高得点を上げていたんだけど、上沼とか見たことないって言ってて、一度も見たことなければ面白いだろうなあ、と思った。ヤホー漫才は一度見たら二回目は笑えないので、優勝者決定戦では案の定ぱっとしなかった。松本人志は4分間にボケを35個くらい入れていたということに驚いていたが、ボケが多ければ面白いというものでもないし、ただ言い間違いを繰り返すだけなので小笑いしか引き出せない。

U字工事:栃木押しは面白かった。しかし、昭和の正当派漫才という印象は否めず、M-1で優勝できるネタとスタイルではなかった。

ザ・パンチ:なんでこの程度で出れるのぉ?死んでぇ。

NON STYLE:悪くなかったけどそれほどのインパクトはなし。優勝は順当だった。

キングコング:去年の西野空回り事件と比べたら良くなってたけど審査員たちからは酷評だった。どうしてもM-1優勝したいなら、「はねるのトびら」を降板して、NON STYLEと同じように路上漫才でもして全国回れば良い。

オードリー:敗者復活の勢いはあった。でも優勝決定戦でのネタがひどすぎた。

酷すぎた2007年と比べて全体的なレベルは上がっていたように思えた。しかしサンドウィッチマンのような圧倒的な存在はなく、NON STYLEが頭一つだけ抜け出たような大会であった。ベスト100までは予備審査員でいいかもしれないが、100組から決勝進出者を決める審査では、紳助たち決勝審査員が審査するべきだと思う。それこそM-1主催者の義務だと思う。

漫才のレベルは上がっている、という免罪符のような台詞が当の漫才師たちから聞こえてくるんだけど、本当にそうだろうか?ツービート、B&B、ダウンタウンの全盛時なら簡単に圧勝できるレベルの大会になってしまったので、M-1のレベルがあがっているとは思えない。すでに役割を終えたM-1はもはや存続させる意義はない。