本屋大賞


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NHKの『クローズアップ現代』でランキング依存が止まらないと題し、出版不況に関する現況を取り上げていた。

いま”「売り上げランキング」をもとに本を選ぶ人が増加している”そうだ。しかも『本屋大賞』のランキングで一位の作品だけが突出して売れ、二位以下の作品は余り売れないという。これはつまり自ら本を選ぶことができない人々が増えていることの証とも言える。しかし、毎年何千冊と刊行される本の中から自分好みの本を探すことなど誰ができようか。

例えば番組で取り上げられていた本屋大賞を本を選ぶ基準としてしまう人がランキング一位の作品しか買わないというのは至極もっともなことだと思う。しかし本屋大賞のようなドラマや映画化しやすい作品を選出する賞で本を選んでいるようでは、まともな本を選ぶことはできない。本屋大賞では、ただ売れる本を選ぶだけであり、内容なんて安直でも構わないという選考しか行われていない。それは歴代の大賞作を読めばわかる。そんな薄っぺらい賞を基準にしか本を選べないのであればそれは悲劇であり、今後もますます本離れは進行してしまうだろう。

しかし直木賞や芥川賞、特に芥川賞のように話題先行で受賞者を決める賞がある以上、いくら歴史があり権威があろうとも、基本的に賞レースなんて言うものが本の選び方の基準として機能していること自体がおかしいのだ。

百聞は一見にしかず。これを一読にしかずと改めれば、自分の読みたい本を見つけられるであろう。