派遣切り


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いまさらだけど派遣切り問題。

年末から連日連夜ずーっとメディアは派遣切り問題について報道している。

キャノンの御手洗のような悪の権化としか思えない極悪非道な企業経営者にははらわたが煮えくりかえっていて、御手洗が死なない限り二度とキャノン製品は買わないとすら思っている。それ故、メディアがキャノンのような派遣労働者を道具としてしか考えていない悪徳企業を叩くことに関して何ら異論はない。しかし派遣切り問題の報道はいささか派遣労働者を擁護しすぎではないかと思えてならない。

かつて日本は自己責任論が常識となっていた時期があった。ところが派遣切り問題に関して、メディアの報道で自己責任論は皆無と言って良い。不思議だ。派遣切りされた人々を見ていると、かつて自由気ままなフリーターに憧れた世代が多いように思う。企業の奴隷になんかなりたくない、とフリーターの道を選んだ人々に自己責任はないのだろうか?

たとえば技能のある派遣労働者は企業から必要とされているため、今回の派遣切り問題とは無縁である。つまり、能力のない人々が一斉に派遣切りされたために大問題になっているのだ。これは政府があまり高い能力を必要とされない製造業のような業種にまで派遣を認可したことが原因である。また、派遣労働者を道具として見なし、平然と違法行為を繰り返してきたキャノンのような企業にも原因はある。ただ、無計画に生きてきた派遣労働者たちを救うよりももっと救わなければならない弱者はいると思う。今僕が知りたいのは、派遣社員たちの歩んできた道である。どうして派遣に成り下がり企業の奴隷となってしまったのか、という彼らの歩んできた道が知りたいのである。ところがそういうバックグラウンドに関して追求するメディアはほとんどない。派遣労働者は全員犠牲者だ、という一方的な報道しかなされていないのだ。だから派遣切りされた人々を全面擁護する気になれないのだと思う。

とりあえず派遣は高技能取得者のみの制度に戻し、日雇い・製造業などの派遣は全面的に禁止すべきである。そして企業には社員をきちんと守るために必要最低限の負担を課すべきだろう。

派遣切り問題は、政府にも企業にも大きな責任がある。ただし、派遣切りされた人々全員が被害者である、という洗脳報道を全面的に信じる根拠はないことだけは理解しておくべきだ。メディアは疑うために存在すると言っても過言ではない。

日本が甘えの構造を許すような社会である以上、このような問題はもうどうにもならないかもしれないけど・・・。