DATE: 08/06/00 Sun. FILE NO.523 : オークランドの憂鬱


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僕が滞在していたニュージーランド最大の都市オークランドは若者の自殺率世界第一位という不名誉な数字を持っていた。(1999年当時)おせじにも決して先進国と呼べないこの国は、リタイアして暮らすには非常に適しているのだが、若者を惹きつける力が余りにも欠けているように思える。とにかく全ての面において選択肢が少ないため、将来が見え過ぎてしまう社会なのだ。だから未来への希望を感じることができないまま命を絶ってしまう若者が多いのではないか、と勝手に推測している。モノに溢れ、物欲のみで成り立つ日本のような社会から訪れる人々にとって彼らの暮らす環境が理想郷のように映るのは当然である。観光客は、得てして良い面だけを記憶して帰っていくエイリアンでしかないのだろう。今年、アメリカズカップやオリンピックなどでオークランドも徐々に活性化しつつあることを風の便りに聞いた。第3の故郷が次回訪れる時にどう変貌しているのか、非常に楽しみである。